世界初、週1回投与が可能な持効型インスリンであるアウィクリ注(インスリンイコデク)が2025年12月から長期処方可能となりました。
当院では糖尿病専門医が最新の糖尿病診療に対応しており、アウィクリ注も処方可能です。ご興味のある方はご相談ください。
この記事では糖尿病専門医・内分泌代謝科専門医の立場から、アウィクリについてわかりやすく解説します。
アウィクリ注について
アウィクリ(一般名:インスリンイコデク)は1回の注射で約1週間効果が続くインスリン製剤です。体の中でゆっくりと効果を発揮し、約1週間にわたって安定した作用を示します。
注射の方法は従来のインスリンと同じで、お腹、太もも、腕などに注射します。注射針も従来と同じ針が使えます。

薬価は1本(700単位)あたり約4000円弱で、保険診療で3割負担なら1本あたり約1200円です。トレシーバやランタスXRは1本約2000円(3割負担で約600円)ですが、1本あたりトレシーバが300単位、ランタスXRが450単位ですので、1単位あたりの金額はそこまで変わりません。
グラルギンなどのバイオシミラー(インスリンのジェネリック薬)は1本(300単位)約1000円、3割負担で300円ですので、グラルギンなどからの切り替えでは負担増と感じるかもしれません。
なお、アウィクリ注は2025年1月に発売されていましたが、新薬のため保険診療のルールで2週間ごとの通院が必須でした。しかし、2025年12月より長期処方可能となり、1か月分以上の処方が可能となりました。
これまでの基礎インスリンとの違い
従来の基礎インスリン(トレシーバ、ランタスXR、ランタス、グラルギン、レベミルなど)は、1日1回の注射が必要でした。一方、アウィクリは週1回の注射でよいため、注射の回数を大きく減らすことができます。
注射回数が減ることで注射の負担が軽くなり、インスリン治療を続けやすくなることが期待されています。
なお、1週間分をまとめて投与するため、単位数は1日の単位数x7倍程度(例:1日10単位打っている方なら週1回70単位)となりますが、1クリック(目盛り)が10単位のため、端数は切り上げるか切り捨てることになります(例:1日8単位なら、週1回56単位ですが、50単位または60単位投与です)。
アウィクリが向いている患者さん
アウィクリは次のような方に向いています。
- 飲み薬や週1回の注射薬(オゼンピック、マンジャロ、トルリシティなど)を使用しても血糖管理が不十分で、インスリン注射の追加が必要な方。
- すでに1日1回の基礎インスリン注射を行っており、血糖値が比較的安定している方。
- 毎日のインスリン注射を負担に感じている方。
- 注射を忘れてしまうことがある方。
- 家族などの介護者が注射をしている方。
一方で、超速効型インスリン(ノボラピッド、アスパルト、ヒューマログ、リスプロ、フィアスプ、ルムジェブなど)はこれまで通り毎食直前に注射する必要があります。治療内容は患者さんごとに異なるため、医師の判断が重要です。
アウィクリが向かない可能性のある患者さん
次のような方は、アウィクリの使用は向いていないかもしれず、注意が必要です。
日によって活動量(運動量)のばらつきが大きく、注射の単位数をこまめに変更している方。
注射単位数が少ない方や、1単位の増減で血糖値が大きく変わる方。
1型糖尿病の方(1日1回の注射と比べて低血糖が増える可能性が報告されています)。
使用を始める際の注意点

アウィクリ®は効果が長く続くインスリンであるため、治療開始時は血糖値の変化を丁寧に確認する必要があります。
また、これまでに国内では以下のようなトラブルが報告されていますのでご注意ください。
- 間違えて毎日打ってしまい、低血糖になった。
- 1クリックが1単位だと思って10倍量打ってしまった(1クリックは10単位です)。
- 他の週1回注射薬と同じだと思い、目盛りを最大まで回して打ってしまった。
まとめ
アウィクリ®は、週1回の注射で行う新しい基礎インスリン治療です。毎日の注射が負担になっている方にとって、治療を続けやすくする新たな選択肢となります。
実際に使用できるかどうかは、糖尿病の種類や血糖値の状態、これまでの治療内容によって異なります。気になる方は糖尿病専門医・内分泌代謝科専門医にご相談ください。
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